顎変形症

ガミースマイルの原因

笑った時に歯茎(はぐき)がみえることがあります。この状態をガミースマイルと呼んでいます。歯茎の見える長さは0-2mm 程度が適正な状態とされています。つまり、見えるか見えないかくらいがちょうどよい具合ということです。

歯茎が過剰に見えすぎることは整容的に好まれないことが多く、ガミースマイルを改善したくて治療を希望される患者さんが多くおられます。

ガミースマイルの原因は大きく分けて4つあります。

① 上顎骨自体の垂直方向への過成長 ② 上顎歯槽突起の挺出 ③ 上口唇の可動量の過剰 ④ 歯肉が歯冠を過度に被覆している

それでは、それぞれについて解説していきます。

 

1. 上顎骨自体の垂直方向への過成長 (上顎骨に原因がある)

この場合はルフォー1型骨切りによる上顎骨の短縮が必要になります。レントゲンやCTを撮影すると容易に診断がつきます。

 

2.  上顎歯槽突起の挺出

上顎骨の中で歯が生えている部分のことを歯槽突起と呼びます。上顎骨の中でも歯槽突起が長いことがガミースマイルの原因となっている場合は、ルフォー1型骨切り術や上顎分節骨切り術などの手術療法のほか、歯科矯正治療のみによるガミースマイルの改善が望める場合があります。

 

3. 上口唇の可動量の過剰

笑った時に上唇は6-8mm挙上するのが正常とされています。口の周りの筋肉が発達している人では上唇可動量が通常の1.5-2倍程度あると言われています。上顎骨の高さが正常であるにも関わらず、可動量が大きいためにガミースマイルになってしまう場合には上口唇の裏側の粘膜を切除して短縮することで、上口唇の可動域を減らす手術(口唇移動術)が効果的です。

 

4. 歯肉が歯冠を過度に被覆している

歯肉が過度に増生していて、歯の根本を覆ってしまっている場合もガミースマイルを呈します。この場合は、歯肉の形態を整える歯周外科の適応となります。

ここまで述べてきたように、一言でガミースマイルと括っても、その原因は様々であり、それに応じた治療法を選択しないと良い結果は得られません。ですのでガミースマイルの原因を治療前にきちんと把握しておくことが重要です。

大守 誠

大守 誠(おおもり まこと) 形成外科専門医・顎顔面外科医 顎変形症、口唇口蓋裂、顔面骨形成を専門とする形成外科医。 顎矯正手術、頬骨形成術、オトガイ形成術など、顔面骨格に基づいた機能的かつ審美的な治療を得意としています。 特に、口唇口蓋裂に伴う二次変形や、骨格性不正咬合に対する外科的矯正治療においては、顔全体のバランスと長期安定性を重視した治療計画を行っています。 また、美容外科領域においても、解剖学的根拠に基づいた安全性の高い手術を心がけています。 本サイトでは、顎変形症や顔面骨手術の症例紹介、治療の考え方、患者さんに知っていただきたい医学的情報を、専門医の立場から分かりやすく発信しています。

関連記事