顎変形症

リップリフト(上口唇短縮術)について

年齢とともに上口唇には

① 赤唇が薄くなる ② 鼻下が長くなる ③ 白唇が平坦化してlip curlが失われる

という変化が起きます。

以前、このブログのガミースマイルのところで上顎前歯と上口唇の位置関係につき述べました。一般的には口を少しだけ開けた状態で上口唇の下縁から2-4mmほど上顎前歯の切縁が見えている状態が適正な上口唇 – 前歯の位置関係とされています。

 

前歯と上口唇の関係が適切であるケース

 

年齢を重ねることで鼻下の長さが伸びてくると、以前は口元から前歯が見えて若々しい印象であったものが、前歯が見えなくなりなんとなく老けた感じになってしまいます。

ですので、上口唇の短縮を行うことで適正な上口唇−前歯の位置関係を再び得ることができ、印象が若返ります。また、手術を行うことで赤唇が少し外側にめくれるので薄くなった赤唇にボリュームがでて、若返り効果が増します。

上口唇の皮膚の適正短縮量は個人差がありますが、一般的には4~6mm程度です。皮膚の下にある筋肉(口輪筋)は皮膚切除の倍くらい切除します。

皮膚切除のデザインは図に示すように、spindle typeとbull-horn typeがあります。

spindle type

bull-horn type

 

spindle typeは唇の真ん中が強く持ち上がり、口角付近はそれほど変化がありません。それと比べて bull-horn typeは唇の真ん中のリフトアップに加えて、口角の挙上効果があります。

また鼻腔底に切開線が一致するようにするデザインと鼻腔底を切開線が通過しないデザインがあります。

今まで報告されている手術デザインは基本的にこの2つ、すなわちspindle typeかbull-horn type 、切開線が鼻腔底を通過するまたは通過しない、の組み合わせでできています。それぞれ長所と欠点がありますので、個々の症例に応じて最も適切な組み合わせを選択することになります。

上口唇短縮術はうまく使えばとても効果的な若返りが得られますが、皮膚に瘢痕(きずあと)ができる術式ですので、慎重に適応を見極める必要があります。

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