顎変形症

顎なしには実は2種類あります

― 下顎後退症とオトガイ後退症の違い ―

「顎がないのが気になります」

美容外科や顎顔面外科の外来で非常によく聞く相談です。

しかし、ひとことで「顎なし」といっても、その原因は同じではありません。

実際には、

  • オトガイ後退症
  • 下顎後退症

という大きく異なる2つの状態が存在します。

この違いを理解せずに治療を行うと、期待した改善が得られないことがあります。


オトガイ後退症とは

オトガイ後退症とは、下顎全体の位置は正常であるにもかかわらず、オトガイ(顎先)の突出が不足している状態です。

簡単に言えば、

「顎の土台は正常だが、顎先だけが小さい状態」

です。

横顔では、

  • E-lineより口元が前に見える
  • フェイスラインがぼやける
  • 首と顎の境界が不明瞭になる

といった特徴を認めます。

歯並びや噛み合わせは正常なことが多く、主な問題は見た目です。


オトガイ後退症の治療

このタイプでは、

オトガイ形成術(Genioplasty)

が有効です。

オトガイの骨を前方へ移動させることで、

  • 横顔のバランス改善
  • E-lineの改善
  • フェイスラインの改善

が期待できます。

歯並びに問題がないため、通常は顎先のみを治療すれば十分です。


下顎後退症とは

一方、下顎後退症は少し事情が異なります。

オトガイの形そのものは標準的ですが、下顎全体が上顎に対して後方に位置している状態です。

つまり、

「顎先が小さいのではなく、下顎全体が後ろにある状態」

です。

このタイプでは、

  • 顎なしに見える
  • 口元が突出して見える
  • 奥歯の咬み合わせに問題がある
  • 睡眠時無呼吸症候群を合併することがある

などの特徴があります。

見た目だけでなく、機能的な問題を伴うことも少なくありません。


下顎後退症の治療

下顎後退症では、

下顎骨切り術(下顎前方移動術)

が根本的な治療になります。

下顎全体を前方へ移動させることで、

  • 顎なしの改善
  • 口元の突出感改善
  • 咬み合わせの改善
  • 気道拡大

などの効果が期待できます。

このタイプに対してオトガイ形成術だけを行うと、顎先だけが前に出るため不自然な横顔になることがあります。


下顎後退症では、

下顎骨切り術(下顎前方移動術)

が根本的な治療になります。

下顎全体を前方へ移動させることで、

  • 顎なしの改善
  • 口元の突出感改善
  • 咬み合わせの改善
  • 気道拡大

などの効果が期待できます。

このタイプに対してオトガイ形成術だけを行うと、顎先だけが前に出るため不自然な横顔になることがあります。


見た目だけでは区別できないことも多い

下顎後退症では、

下顎骨切り術(下顎前方移動術)

が根本的な治療になります。

下顎全体を前方へ移動させることで、

  • 顎なしの改善
  • 口元の突出感改善
  • 咬み合わせの改善
  • 気道拡大

などの効果が期待できます。

このタイプに対してオトガイ形成術だけを行うと、顎先だけが前に出るため不自然な横顔になることがあります。

まとめ

「顎なし」に見える原因は1つではありません。

オトガイが小さいのか。

それとも下顎全体が後退しているのか。

この診断によって最適な治療法は大きく変わります。

顎なしの治療を検討する際には、単純に「顎を出したい」と考えるのではなく、

なぜ顎がないように見えるのかを正しく診断することが重要です。

大守 誠

大守 誠(おおもり まこと) 形成外科専門医・顎顔面外科医 顎変形症、口唇口蓋裂、顔面骨形成を専門とする形成外科医。 顎矯正手術、頬骨形成術、オトガイ形成術など、顔面骨格に基づいた機能的かつ審美的な治療を得意としています。 特に、口唇口蓋裂に伴う二次変形や、骨格性不正咬合に対する外科的矯正治療においては、顔全体のバランスと長期安定性を重視した治療計画を行っています。 また、美容外科領域においても、解剖学的根拠に基づいた安全性の高い手術を心がけています。 本サイトでは、顎変形症や顔面骨手術の症例紹介、治療の考え方、患者さんに知っていただきたい医学的情報を、専門医の立場から分かりやすく発信しています。

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