顎変形症

過蓋咬合があると、オトガイ形成単独では整容改善効果は乏しい

歯を咬み合わせた時に、上顎の前歯と下顎の前歯が重なり合う距離のことを専門用語でオーバーバイト(OB)と言います。通常は1-2mm程度のOBですが、不正咬合がありOBがとても深い患者さんがおられます。

過蓋咬合は上顎前突の患者さんに多くみられ、一般的に顔の上下方向が短く、短顔と言われる顔の形をしています。短顔の患者さんは下顎角部も発達していることが多く、四角い顔になっていることが多いです。

このような患者さんではオトガイが前方に突出していることも珍しくはなく、整容的に問題となることがあります。(図)

 

かみあわせが深い

このような患者さんの治療においては、まず過蓋咬合を治療すると大きく顔貌が変化します。歯科矯正治療単独である程度の改善を得ることもできますが、下顎の前進術を併用したほうが治療は上手くいくことが多いです。

下顎前進術を併用した過蓋咬合の治療を行なって、噛みあわせを浅くすると下顎は時計回りに回転して、オトガイは後方に下がり、顔面高は増加して四角い輪郭から卵型の輪郭に近づきます。

ですので、過蓋咬合があってオトガイ突出がある場合はオトガイ形成術単独で治療を行うのではなく、根本的な原因である噛み合わせの問題を解決することが満足のいく整容性の改善を得るために必要です。

大守 誠

大守 誠(おおもり まこと) 形成外科専門医・顎顔面外科医 顎変形症、口唇口蓋裂、顔面骨形成を専門とする形成外科医。 顎矯正手術、頬骨形成術、オトガイ形成術など、顔面骨格に基づいた機能的かつ審美的な治療を得意としています。 特に、口唇口蓋裂に伴う二次変形や、骨格性不正咬合に対する外科的矯正治療においては、顔全体のバランスと長期安定性を重視した治療計画を行っています。 また、美容外科領域においても、解剖学的根拠に基づいた安全性の高い手術を心がけています。 本サイトでは、顎変形症や顔面骨手術の症例紹介、治療の考え方、患者さんに知っていただきたい医学的情報を、専門医の立場から分かりやすく発信しています。

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