顎変形症の治療症例

下顎後退症に対する両顎手術とオトガイ形成

この患者さんはもともと上顎が突出していたので、上顎の小臼歯を抜歯して上顎歯列を後方に下げるようにしてかみ合わせを整える計画で矯正治療が行われておりましたが、上顎と下顎の前後方向のギャップが大きかったので、手術を併用して治療を行う計画に変更になりました。

当科初診時の顔貌写真です。ガミースマイルとオトガイの後退をみとめます。口が閉じにくいので、力をいれて口を閉じています。

ガミースマイルがあります
オトガイは後退しています。口を閉じるのに力が入っていることがわかります。
軟部組織陰影をみると、上唇が突出しているのがわかります。
アングル2級の不正咬合です。

術前の咬合です。上顎に対して下顎が後方にあるので、オーバージェットが大きくなっています。

手術は上顎を2ミリ上方移動して、下顎は少し前進させて咬合をあわせ、さらにオトガイを5ミリ前進させて側貌を整えるとともに口を閉じやすくする計画としました。

手術前のセファログラムです。
手術シミュレーションです。上顎を2ミリ上方移動する計画です。

術後はかみ合わせは良好になり、ガミースマイルは消失し、オトガイが前方にでて口が閉じやすくなりました。E-lineも整いました。

ガミースマイルは消失しました。
E-lineは整い、口は閉じやすくなりました。
計画通りの手術が行われています。

上顎を上方に移動することで、口元の突出感は解消することができます。下顎を前進させるとともに、オトガイを前方に移動させると口が閉じやすくなります。

大守 誠

大守 誠(おおもり まこと) 形成外科専門医・顎顔面外科医 顎変形症、口唇口蓋裂、顔面骨形成を専門とする形成外科医。 顎矯正手術、頬骨形成術、オトガイ形成術など、顔面骨格に基づいた機能的かつ審美的な治療を得意としています。 特に、口唇口蓋裂に伴う二次変形や、骨格性不正咬合に対する外科的矯正治療においては、顔全体のバランスと長期安定性を重視した治療計画を行っています。 また、美容外科領域においても、解剖学的根拠に基づいた安全性の高い手術を心がけています。 本サイトでは、顎変形症や顔面骨手術の症例紹介、治療の考え方、患者さんに知っていただきたい医学的情報を、専門医の立場から分かりやすく発信しています。

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