上下顎同時前進術:Maxillo-mandibular advancement

上あごを10ミリ前進させることで、軟口蓋後方の気道を拡大させます。同時に下あごを前方に前進させることで舌の後方の気道を拡大させます。骨切りは、上あごはルフォー1型骨切り術という方法を、下あごは矢状分割骨切り術という方法を用います。また下あごの先端部(オトガイ)も同時に骨切りして前進させます。上あごを前方に移動することで中咽頭(軟口蓋近辺)のスペースが、下あごを前方移動させることで舌の後ろのスペースが、それぞれ拡大することで呼吸がし易くなります。上下顎同時前進術は睡眠時無呼吸に対する外科治療の中で最も効果の高いものであることが証明されております。上あごが前に突出しすぎて、見た目に問題が起きるようであれば、上あごの4番目か5番目の小臼歯の抜歯を行い、その位置で上あごを分割して、上あごの前方部を後方に移動させて側貌を整える術式を用います。(2-piece Le Fort1)
睡眠時無呼吸に対する上下顎同時前進術は、現在のところは健康保険適用ではありませんので、自費治療となります。明らかに下顎が小さいなどの顎変形症が原因となり、睡眠時無呼吸が起きている場合は健康保険を適用することができます。健康保険の適用については診察後に医師が判断します。
オトガイ舌筋前進術

下顎を部分的に骨切りして、前方移動させることで、下顎骨裏面に付着しているオトガイ舌筋を前方に移動させて、気道を拡大する方法です。軽度の閉塞性睡眠時無呼吸症候群に有効です。
【症例提示:オトガイ舌筋前進術】
60歳、女性。
生来小顎を認め、睡眠検査(ポリソムノグラフィー)ではAHI 46.6と重症の閉塞性睡眠時無呼吸を認めました。骨格評価の結果、本症例ではオトガイ舌筋前進術を施行する方針としました。
全身麻酔下に、オトガイ棘を含めたオトガイ前進術を施行しました。前方移動量は10 mmに設定しました(術前後の側面頭部X線規格写真を参照)。
術後6か月のポリソムノグラフィーでは、AHIは46.6から6.4へ改善し、治療効果は良好でした。

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