顎変形症

反対咬合を治したが、まだしゃくれているような気がするけど。。

反対咬合というのは下顎前歯のほうが、上顎前歯よりも前方に出ている状態のことを言います。反対咬合の原因として、

① 下あごは普通の大きさだが、上あごが小さくて引っ込んでいる場合

② 上あごは普通の大きさだが、下あごが出ている場合

の2つがあります。

①に対しては上あごを前方に出してあげると、プロポーションの良い顔貌に近づきます。

②に対しては下あごを後方に下げると解決するのですが、下げ方として、歯が生えている歯槽骨の部分だけを後ろに下げる方法(下顎骨歯槽骨骨切り術)を選択した時に“反対咬合を治したが、まだしゃくれているような気がするけど。。”ということが生じます。

それは、下あごが出ている原因が歯槽骨の部分だけにあるのではではなく、下顎骨全体が前に出ているために反対咬合になっているからです。

これを図に示すと、下の図のようになります。

 

 

下顎骨全体が前に出ている場合は、歯槽骨切り術ではなく、矢状分割骨切り術で下顎骨全体を後方に下げないとよいプロポーションにはなりません。

自分の反対咬合の原因が、歯槽骨にあるのか下顎骨全体にあるのかは笑った時の顎先の飛び出し具合によく現れます。

下顎骨全体が前に出ている人が笑った時には口の周りの筋肉が後ろに引かれるので、顎先の骨を包む皮膚が薄くなり、骨の形が強調されて顎先の飛び出しが顕著になります。

このような患者さんは、バランスの良い顔貌を得るために、歯槽骨切りではなく矢状分割骨切り術での下顎後方移動が必要です。

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