※口唇口蓋裂の治療方針や保険診療についての詳しい説明は、
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この患者さんは、幼少期から長期にわたり一貫して治療を行ってきた症例です。
最終修正まであえて鼻形成を行わなかったことで、組織の状態が良好に保たれ、精度の高い鼻形成術が可能となりました。
初回の口唇形成術から筆者が担当しており、今回、青年期に至って鼻の最終修正術を行うこととなりました。
本手術が最後の外科的介入となるため、考え得る修正を包括的に行う方針としました。
修正ポイントを決定する
手術前の顔貌写真です。
術前の顔貌では、鼻の変形に加えて、口唇閉鎖時の筋緊張が強く、オトガイ後退に伴う口唇閉鎖不全を認めました。






手術計画
患者さんと十分に相談のうえ、以下の点を修正目標としました。
- 斜鼻の修正
- わし鼻の修正
- 鼻幅の縮小
- 鼻孔の左右差の修正
- 鼻尖下垂(垂れ鼻)の改善
- オトガイ後退の改善
術前にはフォトショップを用いたシミュレーションを行い、具体的な変化量を設定しました。





■シミュレーション
- 鼻尖:2mm挙上
- 鼻背:2mm下降(わし鼻修正)
- 鼻幅:左右それぞれ4mm縮小
- オトガイ:8mm前進(E-lineの改善)
手術






オープン法でアプローチし、湾曲した鼻中隔を切除しました。
採取した鼻中隔軟骨を移植し、下垂していた鼻尖を挙上しています。
最終的な鼻形態はリノメジャーを用いて術中に評価しながら決定しました。
鼻骨に対しては錐体骨切りを行い、鼻背の高さを調整することで、わし鼻を修正しています。
また、鼻翼は外側・内側ともに切除を行い、鼻幅の縮小を図りました。
術後経過
術後は感染などの合併症なく順調に経過しました。
術後3ヶ月の時点で鼻形態は良好に改善し、オトガイ前進によりバランスの取れたE-lineが形成されています。






担当医からのコメント
この患者さんは、幼少期から長期にわたり治療を続けてきた方です。
最終の修正まであえて鼻の手術を行わなかったことで、形を整えやすい状態を保つことができ、良い結果につながりました。