成人期の口唇口蓋裂修正術
― 他院で「治療は終了」と言われた方へ ―

小児期に口唇口蓋裂の治療を一通り終えたあと、
「これ以上の修正は難しい」「大きな治療はもう必要ない」と説明を受けたものの、
成人になってからも鼻や口元の形に違和感や悩みが残っている――
そのような方は決して少なくありません。

成長とともに顔貌のバランスや社会生活が変化するなかで、
以前は気にならなかった左右差や陥没感、瘢痕が
あらためて気になるようになることは自然なことです。

当院では、成人期における口唇口蓋裂の修正治療
「やり直し」ではなく、
人生の次の段階に合わせた再設計と考えています。

成人になってからも悩みが残る理由

口唇口蓋裂の治療は、多くの場合小児期から段階的に行われます。
しかし、成長過程では予測できなかった以下のような変化が、
成人期に明らかになることがあります。

・鼻翼や鼻柱の左右差
・中顔面の陥没感や立体感の不足
・瘢痕の緊張や表情時の違和感
・社会生活の中での見た目に対する意識の変化

「治療は医学的に完了している」ことと、
「本人が納得できている」ことは、必ずしも同じではありません。

他院で「終了」と言われた背景

他院で修正が難しいと説明される理由には、
以下のような背景があることが多くあります。

・成長期の治療が一段落している
・機能面に大きな問題がない
・高度な裂手術に対応できる施設が限られている

しかし、これらは
「成人期修正の可能性がない」ことを意味するものではありません。

成人期には、骨格・軟部組織・瘢痕の状態を踏まえたうえで、
新たな視点からの修正治療を検討する余地があります。

当院の成人期修正に対する考え方

当院では、口唇口蓋裂の一次治療から二次修正までを理解した
形成外科医が診療を行っています。

成人期の修正では、

・裂特有の解剖学的特徴を理解していること
・小児期治療の影響を正確に評価できること
・美容目的だけに偏らない判断ができること

が非常に重要です。

「どこまで改善が可能か」
「何を目標とするのが現実的か」を
患者さんと共有しながら治療方針を決定します。

当院で治療を行なった症例の紹介

以下に、成人期に修正を行った症例を紹介しています。

いずれも、小児期治療後に
「まだ気になる部分がある」「今さら相談してよいのか迷っていた」
という思いを抱えて来院された方々です。

成人期の口唇口蓋裂修正症例一覧はこちら

「相談していいのか迷っている人へ」

Q1. 成人になってから相談するのは遅すぎませんか?
いいえ、遅すぎることはありません。
成人期だからこそ、顔貌が安定し、修正の検討がしやすい場合もあります。


Q2. 他院で「もう治療は終わり」と言われましたが、診てもらえますか?
はい、問題ありません。
当院ではその説明内容も踏まえたうえで、
現在の状態から可能な選択肢を整理します。


Q3. 美容外科と形成外科、どちらに相談すべきか迷っています。
口唇口蓋裂の修正では、
裂特有の解剖や小児期治療の影響を理解していることが重要です。
形成外科での相談をおすすめします。


Q4. 鼻の左右差や陥没だけでも相談していいですか?
もちろんです。
「小さな違和感」に見える部分こそ、
専門的な評価が必要な場合があります。


Q5. 相談したら必ず手術を勧められますか?
そのようなことはありません。
手術を行わない選択肢も含めて、
現在の状態と希望を整理することを目的に診察を行います。